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【高齢者向け】浴室・脱衣室のバリアフリーを動作で考える|立つ・座る・またぐを安全に

【高齢者向け】浴室・脱衣室のバリアフリーを動作で考える|立つ・座る・またぐを安全に

介護認定を受けて、「では、お家を整えましょう」と言われた。

そうなって初めて、バリアフリーについて考える方も多いのではないでしょうか。

浴室は住宅内でも特に事故の多い場所です。

これまで問題なくできていた動作でも、筋力やバランス感覚の低下、関節の痛みなどによって、少しずつ負担を感じるようになることがあります。

浴室のバリアフリーを考えるときは、手すりや浴槽などの設備だけをみるのではなく、入浴の一連の流れを確認することが大切です。

では、浴室のバリアフリー化をしようと考えたら、まずどんなリフォームが必要でしょうか。
今回は、高齢の方のケースを中心に、浴室のバリアフリー動作別に分解して詳しく説明していきます。

快適で安全な浴室にする方法を考えている方は、ぜひご覧ください。


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目次

交通事故の約3.9倍?高齢者に多い不慮の溺死・溺水

高齢者の不慮の事故状況

消費者庁コラムVol.12 高齢者の事故 ―冬の入浴中の溺水や食物での窒息に注意―より引用(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20241219/)

厚生労働省の「人口動態統計」によると、令和5年に不慮の事故で44,440人が亡くなっています。
そのうち、65歳以上の高齢者は39,016人と、死亡者数の87.8%を占めています。

高齢者の不慮の事故の主な原因として挙げられる「不慮の溺死及び溺水」は、令和5年に8,270人が亡くなっており、交通事故での死者2,116人の約3.9倍となっています。

入浴中の事故は持病がない場合や前兆がない場合でもおこるおそれがあります。

バリアフリーリフォームで事故の可能性をできる限り減らすことができますが、0にすることはできません。事故防止のためには本人だけでなく家族や周囲の方が一緒に注意することが大切です。

  1. 入浴前に脱衣室や浴室を暖めましょう。
  2. 湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう。
  3. 浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
  4. 食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避けましょう。
  5. 入浴する前に同居者に一声掛けて、意識してもらいましょう。

(以上の5項目は「厚生労働科学研究費補助金循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究 平成 24~25 年度総括研究報告書(研究代表者:堀進悟)」P.227「安全な入浴の手引き」(パンフレット)にて推奨されている目安です。)

浴室・脱衣室のバリアフリー、何をしよう?

浴室・脱衣室には、転倒ヒートショックなど、事故につながる要因がいくつもあります。

バリアフリーリフォームを考える際は、入浴の流れに沿って一つひとつの動作を確認することが大切です。

「立つ」「座る」「歩く」「またぐ」といった動作ごとに、どこに危険や負担があるのかを分析し、その原因を解消できる環境を整えましょう。

浴室のバリアフリーを考える場合

浴室のバリアフリーのポイント

バリアフリーリフォームのマニュアル2021(https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoiMjYzOSJ9&detailFlg=0&pNo=1) マツ六株式会社より引用

バリアフリーと聞いた時に、まずは何を想像するでしょうか。

手すり?床が滑るのを防ぐ?浴槽を入れ替える?

どれも大切なバリアフリー対策です。

しかし、自分で安全に浴室を利用できる環境を整えるためには、設備を選ぶ前に、もう一歩踏み込んで考えたいことがあります。

まずは、浴室でする「動作」を考えてみてください。

  1. 扉を開けて浴室に入る・扉を閉める
  2. 洗い場や浴槽まで歩く
  3. 風呂いすに座る
  4. 身体や髪を洗う
  5. 風呂いすから立ち上がる
  6. 浴槽をまたいで入る
  7. 浴槽の中で座る・立ち上がる
  8. 浴槽をまたいで出る
  9. 扉を開けて浴室から出る・扉を閉める

他にも、電気をつける・消す、風呂ふたを開ける・閉めるなどの動作がありますよね。

改めて分けてみると、浴室には意外と動作があると感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一つひとつの動作を細かく分けてみると、自分が不安に感じていることや、困っている動作がわかりやすくなります。
この「不安に感じている」「困っている」動作を支えて、「これがあれば、自分でできる」という状態にするのが、浴室のバリアフリーを考える最初の一歩です。

浴室の主なバリアフリーリフォームの項目は以下の通りです。

  • 手すりの設置
  • 出入口や床の段差を解消する
  • 開き戸から引き戸・折戸へ交換
  • 床のかさ上げ・かさ下げ
  • 滑りにくい床材へ変更
  • 浴槽の交換

移動中の転倒を防ぐことや、立ち座り、浴槽をまたぐことを支えることが、バリアフリーリフォームの中心となります。

脱衣室のバリアフリーを考える場合

脱衣室のバリアフリーリフォームのポイント

バリアフリーリフォームのマニュアル2021(https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoiMjYzOSJ9&detailFlg=0&pNo=1) マツ六株式会社より引用

浴室と同じように、脱衣室についても、そこで行う「動作」をひとつずつ確認しましょう。

まずは、浴室へ出入りするときの動作です。

  1. 扉を開けて脱衣室に入る・扉を閉める
  2. タオルや着替えを準備する
  3. 衣服を脱ぐ
  4. 浴室へ移動する
  5. 入浴後に身体を拭く
  6. 衣服を着る
  7. 扉を開けて脱衣室を出る・扉を閉める

次に、洗面台で身支度をするときの動作を考えます。

  1. 扉を開けて脱衣室に入る・扉を閉める
  2. 洗面台の前まで移動する
  3. 洗顔や歯磨き、手洗いなどを行う
  4. タオルで水気をふき取る
  5. 洗面台から扉まで移動する
  6. 扉を開けて脱衣室を出る・扉を閉める

他にも、電気をつける・消す、化粧をする、洗濯物を出し入れするなどの動作がありますよね。

脱衣室のバリアフリーリフォームでは、移動の際の転倒を防ぐ、ヒートショックのリスクを抑える、衣服の着脱や身支度をするときの姿勢を支えることが中心になります。

ここからは、それぞれの動作ごとに対策を詳しくご紹介します。


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立ち座りや扉の開け閉め、浴槽のまたぎを補助する|手すりの設置

バリアフリーリフォームの最も重要な工事のひとつは「手すり」です。
動作の要所に手すりがあると、動作を補助してくれるだけでなく、ふらつきや転倒の予防もしてくれます。

設置する場所としては以下の通りです。

  • 浴室・脱衣室の扉の開け閉めのときの姿勢を支える「縦手すり」
  • 浴室や脱衣室での移動を支える「横手すり」
  • 風呂いすからの立ち座りを支える「縦手すり」
  • 浴槽のまたぐ動作を支える「縦手すり」
  • 浴槽内での姿勢を支える「横手すり」
  • 衣服の着脱、身体を拭く動作、身支度を支える「縦手すり」

「縦手すり」は、しっかり握って身体を引き寄せたり、身体を支えたりすることで、力を入れやすくなるのが特徴です。
「横手すり」は、身体を支えながら移動できるのが特徴で、常に強く握るというよりも軽く支えながらバランスをとるイメージで使われます。

介護保険の住宅改修では、動作の補助として「縦手すり」が採用されるのが多いというのが現状です。

予算については、手すりの長さによって金額が異なります。
基本的には介護保険の住宅改修制度を利用して設置することが多いでしょう。浴室の場合は、手すりを取り付ける場所が多く、動作ごとにふらつきや力を入れにくい場所を一つずつ確認することが重要です。

参考:縦手すりと横手すりの特徴(表)


使い方 握る 滑らせる
手すりの太さ 強く握って移動するため
直径28~32mm
手を滑らせて移動するため
直径32~36mm
手すりの向き 縦手すり
縦手すり
横手すり
横手すり
手すりの形状 円柱型

円柱型

円柱型・上部平坦型

円柱型・上部平坦型

浴室手すりを設置した施工事例

施工事例:浴室ドアからシャワーの前までの移動とシャワーの前の立ち座りを助ける手すりを設置しました。

 

服を脱ぐ・着る|脱衣用いすを用意する

ラタン製いす

ラタン製 あじろ編みスツール C4141NLandmark Kaglab公式販売店より引用 (https://lit.link/kaglab)

立ったまま服を脱いだり着たりする動作は、片足立ちになることも多く、バランスを崩す原因になります。

脱衣室にいすを用意すると、座った状態で安定して着替えられるため、転倒の予防につながります。

脱衣室に適したいすの素材には、次のようなものがあります。

  • ラタン製スツール
  • 軽量プラスチック・樹脂スツール

ラタン(籐)製スツールは、自然な風合いと優れた調湿性があり、湿気の多くなりやすい脱衣室に適しています。
また、軽くて持ち運びやすく、水回りの冷たい印象を和らげることができます。

軽量プラスチック樹脂製スツールは、濡れた場所でもお手入れしやすく、価格も手ごろです。
使わない時には隅に重ねて置けるタイプや、掃除の際に邪魔にならないものが豊富にあります。

脱衣用いすは素材だけでなく、座面の高さ安定性も重要です。
脚部に滑り止めがついているものや、立ち座りに不安がある方は、背もたれやひじ掛けがあるものも検討しましょう。


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服を脱ぐ・着る|タオル・着替えを取りやすい位置に収納する

脱衣室収納イメージ

服を脱いだり着たりする際に、タオルや着替えが手の届きにくい場所にあると、無理に腕を伸ばす必要があります。

特に足元が濡れている状態で移動すると、転倒につながるおそれがあります。

収納を設ける際は、次の点を確認します。

  • 高すぎる棚や低すぎる棚を避ける
  • 扉や引き出しを少ない力で開けられるようにする
  • よく使うものを手前に置く
  • 床に物を置かず、移動スペースを確保する
  • 濡れた手でも取りだしやすい収納にする

中に入っているものがわかりやすく、必要なものを取り出しやすい工夫が必要です。

また、入浴前に着替えやタオルをまとめて準備できる場所を設けておくと、入浴後に室内を移動する手間が減らせます。

浴室・脱衣室のドアを開ける・閉める|ドアノブの交換

握り玉・彫り込み型

「握る・つまむ・ひっかける」動作は負担になりやすく、特に開き戸の「握り玉」や、引き戸の「彫り込み型」は、握力や指先の力が必要です。

ドアの製品によっては、取手のみの交換が可能です。

レバーハンドル型・プッシュ・プル型

開き戸の場合は「レバーハンドル型」「プッシュ・プル型」が使いやすく、特に「レバーハンドル型」は近年の標準となっています。

棒型

また、引き戸の場合は「棒型」のハンドルがオススメです。
軽い力で開閉できるほか、握るのに不安がある方も腕を引っかけて開閉することができます。

浴室のドアを開ける・閉める|開き戸から引き戸へ交換

グループホーム 浴室

開き戸は、戸を開けるときに一歩(半身)さげてから戸を引く、という動作があります。

この時、身体があおられてしまい転倒の原因となってしまうことがあります。そのため、バリアフリーの観点では、そのままの姿勢で開けやすい引き戸への変更が推奨されています。

扉を開ける取手の付近に手すりの設置を合わせて行うと、さらに安心です。

引き戸は、開けるときに引いた扉を収める部分が必要なため、扉の横にある程度の面積が必要です。

設置可能かどうかは、詳しい専門の工務店等にご相談ください。

浴室の扉を引き戸にした施工事例

施工事例:扉は全て引き戸に統一 3枚扉の引戸

今回のご利用者様はご家族で暮らしており、ご主人が車いすを利用しての生活となったことで今回の改修に至りました。

車いすからシャワーキャリーに乗り換えてのシャワー浴ですが、既存の浴室の扉では入ることが難しい状況でした。
また、介助をする奥様も一緒に入るため、出入りしやすくしたいというご希望もありました。

浴室の扉は3枚扉のものを選択しました。出入口が広く、2人並んでも余裕を持って入ることができます。

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浴室のドアを開ける・閉める|開き戸から折戸へ交換

折戸

浴室の出入口に引き戸を設置するためには、扉を横に引きこむための壁面スペースが必要です。

間取りや壁の長さ、ユニットバスの種類によって引き戸を設置できない場合は、開き戸から折戸への交換を検討します。

折戸は扉を折りたたみながら開閉するため、開き戸よりも扉の動く範囲を小さく抑えやすいことが特長です。
脱衣室や浴室内のスペースが限られている場合でも、比較的設置しやすい選択肢です。

浴室の扉を折戸にした施工事例

浴室 開き戸→折れ戸 介護保険適用工事 介護保険 住宅改修

浴室の戸を開き戸→折れ戸へ変更する施工事例です。

開き戸は戸を開けるときに一歩(半身)下げてから戸を引くという動作があるため、身体があおられて転倒する危険があります。

工事の完了後、ご利用者様は「扉がとても軽く動く!これで開け閉めが楽にできます。」と喜んでくださりました。

【C.28】浴室の開き戸→折れ戸へ交換|負担なく浴室へ入れるようになりました|福祉建築

浴室へ入る・出る|すのこの設置

浴室の出入口に段差がある場合は、すのこを設置して床の高さをそろえる方法があります。

段差を小さくすることで、脚を大きく持ち上げる動作を減らせるため、つまずきや転倒の予防につながります。

ただし、浴室のすのこはカビやヌメリが発生しやすく、掃除やお手入れの手間が増えることがあります。

設置後の管理も考えながら、使用する方の身体状況や生活に合わせて選択することが大切です。

浴室の床にすのこを設置した施工事例

施工事例:段差を解消するため、浴室にすのこを設置しました。

介護保険の住宅改修を利用し、浴室にすのこを設置しました。

浴室の床ぴったりに合わせて設置することで、脚の指先が挟まる可能性を軽減しています。

すのこには滑りの防止の機能もあり、転倒の危険を予防してくれる効果があります。

【C.12】浴室手すりとすのこを設置|浴室の環境を安全に整える|福祉建築


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浴室へ入る・出る|床のかさ上げ、かさ下げ

浴室の段差の解消

バリアフリーリフォームのマニュアル2021(https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoiMjYzOSJ9&detailFlg=0&pNo=1) マツ六株式会社より引用

浴室の出入口に段差があり、根本的に解消したい場合は、浴室の床をかさ上げ・かさ下げして、床の高さを調整する方法があります

すのこを設置する方法と比べて、カビやヌメリが発生する箇所を減らしやすく、日常のお手入れがしやすいこともメリットです。

Check! 洗い場の床の高さを上げた分、洗い場の床と浴槽の段差が大きくなる

洗い場と浴槽の底面

バリアフリーリフォームのマニュアル2021(https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoiMjYzOSJ9&detailFlg=0&pNo=1) マツ六株式会社より引用

洗い場の床をかさ上げすると、出入口の段差を解消できる一方で、洗い場の床面と浴槽の底との高低差が大きくなります。

高低差が大きくなると、浴槽をまたいで入る際に足が浴槽の底へ届きにくくなり、身体が前につんのめるなど、かえって転倒の危険が高まることがあります。

浴槽をまたぐ動作をしやすくするには、浴槽のフチの高さだけでなく、洗い場の床面から浴槽の底までの深さも確認することが大切です。
浴槽のまたぎ高さは350~450mm程度がひとつの目安となります。

洗い場の床を高くする場合は、浴槽への出入りまで含めて検討し、必要に応じて浅い浴槽への交換も検討しましょう。

Check! 浴槽水栓やシャワーの高さをチェックする

シャワーの高さ

バリアフリーリフォームのマニュアル2021(https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoiMjYzOSJ9&detailFlg=0&pNo=1) マツ六株式会社より引用

浴槽にお湯をためる浴槽水栓は、お風呂のふたを閉めた時にギリギリかわす位置に設置されています。

浴室の設計や床のかさ上げ方法にもよりますが、床そのものを高くすると、浴槽の位置も高くなる場合があるため、浴槽水栓が動かせなくなってしまいます。
この場合、浴槽水栓の高さも変える必要があるため、注意が必要です。

また、洗い場の床を高くすると、シャワーや水栓の高さにも影響します。
風呂桶が水栓の下に置けなくなったり、水栓の操作がしづらくなったりして、腰に負担がかかる姿勢になってしまうため、状況に応じてシャワーや水栓の高さも調整する必要があります。

Check! 洗い場から脱衣室に水があふれないようにする

浴室排水

床をかさ上げして、浴室と脱衣室の境界をフラットにすると、出入りしやすくなる一方で、浴室内の水が脱衣室へ流れ出るおそれがあります。

そのため、段差をなくすだけでなく、水を適切に処理するための排水計画を立てることが大切です。

浴室の床に排水口へ向かう勾配をつけるほか、出入口付近に排水口やグレーチングを設けることで、脱衣室へ流れ出る前に水を受け止めて排水しやすくなります。

グレーチングは、隙間が6~9mm以下の細目タイプを選ぶと、足の指や、車いすのキャスターなどが入り込みにくくなります。
また、軟質樹脂を使用したタイプは、足ざわりがやわらかく、金属製に比べて冷たさを感じにくいため浴室の排水に適しています。


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浴室内を移動する|滑りにくい床材へ変更する

フクビ あんからプラス

浴室内は、水で濡れるだけでなく、石鹸やシャンプー、入浴剤などの影響によって滑りやすくなります。

転倒を防ぐためには、身体を支える手すりの設置とあわせて、滑りの原因となる床そのものを見直すことが大切です。

浴室用の床材には、表面に滑りにくい加工が施されたものや、足元に冷たさを感じにくいもの、クッション性のあるバリアフリー向けの製品があります。

こうした床材に変更することで、転倒の予防につながるほか、万が一転倒した際の衝撃を和らげる効果や、浴室に入ったときのヒヤッとした感覚を軽減する効果も期待できます。

安全に浴槽をまたぐ・溺れるのを防ぐ|浴槽の交換

浴槽をまたぐ動作

バリアフリーリフォームのマニュアル2021(https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoiMjYzOSJ9&detailFlg=0&pNo=1) マツ六株式会社より引用

浴槽をまたぐ動作は、片脚を大きく持ち上げながら身体を支える必要があるため、浴室内の動作の中でも特に負担が大きくなりやすい動作です。

従来型の浴槽には、深さがあり、浴槽内が狭い物も多くあります。
浴槽が深いほど、出入りの際に脚を大きく上げ下げする必要があり、バランスを崩す原因になります。

またぎ動作の負担を根本的に軽減する方法として、浅くて出入りしやすい浴槽への交換や、浴室全体をユニットバスへ交換する方法があります。

浴槽を選ぶ際は、フチの高さや深さだけでなく、浴槽内の広さにも注意が必要です。
座ったときに脚が浴槽内の壁に届く大きさであれば、脚を踏ん張って身体を支えやすくなり、姿勢が崩れて身体が沈みこむ危険を軽減できます。

安全に浴槽をまたぐ|バスボード

バスボード

浴槽をまたぐ動作が難しい場合は、浴槽のフチにバスボードを設置する場合があります。

バスボードとは、浴槽の両側のフチに渡して設置する板状の福祉用具です。
浴槽を立ったまままたぐのではなく、いったんバスボードに腰かけてから、身体の向きを変えながら片脚ずつ浴槽内へ入れることで、またぎの動作の負担を軽減できます。

使用する方法は以下の通りです。

  1. 浴槽の外側からバスボードに腰かける
  2. 手すりやバスボードで身体を支えながら浴槽側に身体の向きを変える
  3. 片脚ずつ浴槽内に移す
  4. 姿勢を安定させながら、浴槽内へゆっくり身体を下ろす

浴槽から出るときは、反対の手順で移動します。

バスボードを選ぶ際は以下の点を確認します。

  • 内幅・外幅の測定をし、対応するサイズを選ぶ
  • 工具を使わず、浴槽へしっかり固定できるスライド固定式を選ぶ
  • 身体を預けてもしなりにくい素材を選ぶ
  • 使用する方の体重に対応した耐荷重があるか確認する
  • 身体を支えるためのグリップ(手すり)が必要か検討する
  • 片マヒなどで脚や腰を動かしにくい場合は、回転座面タイプを検討する
  • 使用しないときに座面を上げて収納できる、はね上げタイプを検討する

使用する方の身体状況や浴槽の形状、介助方法に合わせて、安全に使えるものを選びましょう。


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ヒートショックを防ぐ|暖房設備を充実させる

ヒートショック対策

バリアフリーリフォームのマニュアル2021(https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoiMjYzOSJ9&detailFlg=0&pNo=1) マツ六株式会社より引用

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧や脈拍が大きく変動し、失神・心筋梗塞・脳卒中などを引き起こす現象のことです。

冬の寒い日、冷えた脱衣室から熱いお風呂に入ると、身体が「ホッ」と温まるように感じます。
しかし、この急激な温度変化こそがヒートショックの原因です。

入浴前に脱衣所や浴室の寒暖差を少なくする

ヒートショックの最大の原因は、温度差です。

浴室暖房乾燥機小型ヒーターなどを使用し、入浴する10~15分前から室内を暖めておくことで、入浴時の寒暖差を抑えやすくなります。
浴室内は、20℃前後をひとつの目安に温めておきましょう。

小型ヒーターを設置する場合は、壁掛け型がオススメです。

脱衣室は洗濯機や棚、洗濯カゴなど物が多くなりやすい場所です。
床にヒーターを置くと、足元が狭くなったり、うっかり倒したり、転倒につながる危険があります。

後付けリフォームにも対応できるため、既存住宅でも導入しやすいのが魅力です。

 

ヒートショックを防ぐ|断熱性の高い窓へ交換する

断熱窓

浴室や脱衣室の窓は、外の冷気が伝わりやすく、室温を下げる原因のひとつです。

暖房で室内を暖めても、窓の断熱性が低いと熱が外へ逃げやすく、窓の近くでは冷たさを感じることがあります。

ヒートショックを防ぐためには、浴室暖房や脱衣室のヒーターとあわせて、窓の断熱性を高めることも大切です。

既存の窓を複層窓などへ交換したり、内窓を設置したりすることで、外から伝わる冷気を抑え、暖めた室温を保ちやすくなります。

窓の断熱改修は、暖房効率を高め、省エネにもつながります。
そのため、国や自治体の補助金・助成金を利用できる場合があります。

制度の内容や対象となる工事は地域や時期によって異なるため、利用を検討する際は、お住まいの自治体や施工会社に確認しましょう。


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