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花粉に強い家づくり|空気清浄機に頼らないリフォームの工夫

花粉に強い家づくり|空気清浄機に頼らないリフォームの工夫

花粉の季節になると、「気づけば家の中でも鼻がムズムズ…」ということはありませんか?
実は家の中にも、さまざまな経路を通じて花粉が入り込んでしまいます。

「じゃあ空気清浄機をずっと回しておけば安心!」と思いがちですが、実は空気清浄機だけでは完全に防ぐのは難しいのです。

そこでおすすめしたいのが、リフォームによる根本的な花粉対策です。

壁材を工夫して花粉をキャッチしたり、浴室乾燥機や換気フィルターを取り入れて花粉を家に入れない仕組みをつくったりすることで、暮らしの快適さはぐっと変わります。

この記事では、空気清浄機に頼りすぎない花粉対策を、リフォームや暮らしのアイデアとあわせてご紹介します。

空気清浄機だけでは防ぎきれない花粉

空気清浄機だけでは防ぎきれない花粉

前述のとおり、空気清浄機は、室内の空気を循環させながら花粉やほこりを取り除いてくれる便利な家電ですが、花粉はとても軽く舞い上がりやすいため、一度床や壁についたものが再び空気中に漂ってしまうため万能ではありません。

空気清浄機のフィルターで吸い込む前に、家の中にあちこちに付着してしまうのです。

また、空気清浄機の効果は設置している部屋に限られるため、廊下や玄関、別の部屋に入り込んだ花粉までは完全に除去できません。
換気のために窓を開けた時や、洗濯物や衣類を通じて持ち込まれた花粉は、短時間で広範囲に広がってしまいます。

空気清浄機はあくまで「サポート役」。花粉を除去する効果は期待できますが、住まい全体でみれば限界があるのです。
だからこそ、建材や設備を取り入れたリフォームで、花粉が入りにくく、舞い上がりにくい環境をつくることが、根本的な解決につながります。

室内の花粉量は外気の1%以下。それでも症状が出る理由

室内の花粉量は外気の1%以下。それでも症状が出る理由

実は、室内に漂う花粉の量は外気の「1%以下」と言われています。
一見すると安心できそうな数値ですが、実際は条件によって大きく変わるのが特徴です。

窓の開け閉めの有無や、サッシの構造(引き違い窓)、さらに測定する位置が天井付近か床付近かによって、花粉の数は大きく違ってきます。

また、室内には花粉がたまりやすい場所があり、そこに花粉が集中することで、花粉症の症状を強く引き起こす原因となります。

たとえ全体の量が少なくても「局所的に多い場所がある」ため、しっかりした花粉対策が欠かせません。

では、そもそも花粉はどのようにして家の中に入ってきてしまうのでしょうか。

花粉はこうして家に入ってくる

花粉はこうして家に入ってくる

花粉は外にいるときだけでなく、ちょっとしたきっかけで家の中にも入り込んでしまいます。
気づかないうちに生活の中で運び込んでしまうことが多いため、侵入経路を知っておくことが大切です。

侵入経路の割合は、「洋服や髪の毛に付着しているのが数%」「窓や換気からが約60%」「洗濯物などからが約38%」と言われています。

花粉は「人を通じて」「換気で」「洗濯物から」といった日常の行動をきっかけにして、簡単に家の中へ入り込んでしまいます。
だからこそ、侵入経路ごとに工夫をして、花粉を減らすことが重要なのです。

外出時の洋服や髪の毛に付着

外出の際に洋服や髪の毛に付着した花粉は、そのまま室内へ運ばれてしまいます。
特にコートやニットなど、静電気の起こりやすい素材や、花粉が付着しやすい素材の服は要注意です。

換気や窓の開閉で侵入

花粉のシーズンに窓を開けると、風に乗って一気に花粉が侵入します。また、換気扇なども同様です。
換気は必要ですが、無防備に行ってしまうと室内に花粉を呼び込む原因になります。

外干しした洗濯物から持ち込まれる

外に干した洗濯物は、花粉をたっぷり吸着してしまいます。取り込むと同時に花粉まで部屋に入ってしまうので、洗濯物が大きな侵入経路になることも少なくありません。

換気で花粉を入れない!花粉対策フィルターの活用

花粉の侵入経路のなかでも特に避けにくいのが「換気」です。
健康のためにも室内の空気を入れ替えることは大切ですが、そのたびに花粉を呼び込んてしまうのは悩ましいところです。

そこで役立つのが、花粉対策用のフィルターや建材の工夫です。
最近では暮らしに取り入れやすいアイテムが増えてきました。

  • 花粉をキャッチするレースカーテン
  • 花粉対策用の特殊加工網戸
  • 換気扇や給気口の花粉対策フィルター

花粉を100%完全に遮断するのは現実的ではありません。花粉が「入りにくく」「舞い上がらない」工夫をすることが大切です。

次から製品について1つずつ紹介していきます。

花粉をキャッチするレースカーテンの活用

ニトリ 遮熱・ミラー・抗カビ・花粉キャッチレースカーテン(キャッチCアンモル 100X133X2)

ニトリ 遮熱・ミラー・抗カビ・花粉キャッチレースカーテン(キャッチCアンモル 100X133X2) より引用

室内の花粉対策で手軽に取り入れられるのが、「花粉キャッチカーテン」です。ニトリなどでも販売されており、すぐに導入できるのが魅力です。
花粉をキャッチする仕組みは製品によってさまざまで、例えば次のような工夫で成り立っています。

  • 生地の密度を高くして花粉をシャットアウトする
  • アレル物質を分解・不活性化させる加工を施す
  • 繊維を縮れさせた特殊構造で花粉やほこりを絡めとる
  • べたつかない特殊な粘着性樹脂で、外から入った花粉をキャッチする

多くのカーテンは「花粉を繊維に付着させて、室内に広げない」仕組みになっています。そのため、効果を保つには、こまめに洗濯することが大切です。

花粉対策用の特殊加工網戸で侵入をブロック

花粉対策網戸

株式会社イノベックス PPメッシュ×ナノファイバー「ハイブリッド網戸」 より引用

網戸の中には、通常のものよりも網目を細かくした「花粉対策用の網戸」があります。
網目がとても細かいため、粒子の大きなスギ花粉はほとんど通さないといわれる優れものです。

ただし、通気量は一般的な網戸の約1/6程度になってしまいます。それでも重度の花粉症の方にとっては、有効な選択肢といえるでしょう。

また、種類によっては、静電気を利用して花粉を吸着するタイプもあり、それを導入すれば、通気性や透過性を保ちながら花粉をブロックできます。

賃貸住宅で網戸そのものを交換できない場合は、使い捨ての花粉フィルターもおすすめです。
耐用年数はおよそ1年と短いため、定期的な交換は必要ですが、取り付け・取り外しが簡単で、花粉やほこりをしっかりキャッチしてくれます。

花粉対策用の網戸に交換する場合、費用の相場10,000~30,000円程度になります。
窓のサイズによって変わるため、専門業者への確認が必要です、

まれに既存の網戸を取り換えられないケースもあり、その場合は、サッシ枠や窓の新設が必要となり、50,000~230,000円程度かかることもあります。

換気設備に取り付ける花粉対策フィルターの効果

大建工業 換気口花粉対策フィルター

花粉を入れずに換気したい “24時間換気”は換気扇のフィルター掃除が大切! 大建工業株式会社 より引用

2003年7月1日から、シックハウス症候群対策として、すべての新築住宅に「24時間換気システム」の導入が義務化されました。

このシステムが正常に稼働していれば、窓を開けなくても一日中空気を入れ替えることが可能です。

換気は「吸気(外の空気を取り込む)」と「排気(室内の空気を外へ送り出す)」の2つで成り立っています。
一般的には給気口から外気を取り入れ、排気口から汚れた空気を排出します。

24時間換気システムには大きく分けて3つの方式があります。

  • 第1種換気方式:給気・排気の両方を機械で行う
  • 第2種換気方式:給気のみ機械で行い、排気は自然に行う
  • 第3種換気方式:給気は自然に、排気を機械で行う

住宅では主に「第1種」と「第2種」が採用されています。

製品によっては「花粉を約99%カット」とうたわれるものもあり、換気口に花粉対策用フィルターを取り付ければ、換気をしながら花粉の侵入をしっかり防ぐことができます。

花粉対策用フィルターを導入する際には、次の点に注意が必要です。

  • 製品やメーカーによって「フィルター後付不可」と明記されている場合があるため、必ず取扱説明書をチェックする
  • 換気口の形状は住宅や製品によって異なるため、適合するフィルター(必ず純正のもの)を選ぶ
  • フィルターには使用期限があり、定期的に交換する必要がある(通気量が落ち、基準換気量を下回る危険がある)
  • 賃貸住宅や分譲住宅では、契約上フィルター後付けが禁止されている場合がある

このように、花粉対策フィルターは高い効果が期待できますが、正しい選び方と定期的なメンテナンスが必要です。

室内で洗濯物を乾燥させて花粉を持ち込まない

室内で洗濯物を乾燥させて花粉を持ち込まない

洗濯物や寝具の花粉対策で最も大切なのは「外に干さないこと」です。

前述のとおり、室内に入り込む花粉の約38%は洗濯物が原因と言われています。
衣類や布類は濡れると繊維の隙間が広がり、花粉が入り込みやすくなります。一度繊維に絡んだ花粉は乾燥後も残ってしまい、簡単には落ちません。

そのため、花粉シーズンはできるだけ部屋干しをおすすめします。部屋干し臭対策をしながら、洗濯乾燥するのにおすすめなのが次の3つの方法です。

  • 浴室乾燥機を使う
  • 洗濯乾燥機衣類乾燥除湿機を使う
  • サンルーム・ガーデンルームを使う

以下に詳しく説明していきます。

浴室乾燥機で洗濯物を室内乾燥し、花粉の付着を防ぐ

浴室乾燥機で花粉を持ち込まない

浴室乾燥機は、浴室内で洗濯物を乾かせる人気の設備です。

換気・乾燥機能で花粉の付着を防ぎ、部屋干しよりも臭いが発生しにくいのが特徴になっています。
洗濯乾燥機よりも衣類にシワが付きにくく、浴室のカビ対策としても効果的です。

暖房や涼風機能付きのタイプなら浴室の温度調整も可能で、ヒートショック対策としても役立ちます。

後付け工事の費用目安は35~40万円程度になりますが、グレードや施工方法によっても変動するため、導入を検討する際は専門業者に見積もりを取りましょう。

浴室乾燥が難しい場合は洗濯乾燥機や衣類乾燥除湿機を活用したい

浴室乾燥が難しい場合は洗濯乾燥機や衣類乾燥除湿機を活用したい

浴室乾燥機の導入が難しい場合は、洗濯乾燥機衣類乾燥除湿機を活用するのがおすすめです。
賃貸住宅やリフォームができない場合でも導入しやすい利点があります。

洗濯乾燥機は、洗濯と乾燥を一度に行える便利さが魅力です。
熱風で乾燥させるため、脱臭効果も高いですが、衣類が傷みやすい、素材によっては不向き、シワになりやすいといったデメリットもあります。

衣類乾燥除湿機は、洗濯物を乾かしながら室内の除湿もできる機器です。
コンプレッサー式、デシカント式、ハイブリット式があり、価格や性能は方式や洗濯物の量によって大きく変わります。
使い方やシーンに合わせて選ぶとよいでしょう。

大がかりな対策ならガーデンルームを活用

大がかりな対策ならガーデンルームを活用

さらに本格的な対策を望む場合は、サンルームやガーデンルームを設ける方法もあります。

天気や花粉シーズンを気にせず洗濯物を干せるうえ、花粉シーズンに日光の下で干すのを諦めなくていいというのも魅力です。

広めのものを選べば、趣味やリラックススペースとしても活用可能となります。

設置方法は、床納まり、土間納まり、ハーフ囲い納まり、バルコニー納まりなどがあり、住まいの状況や目的に合わせて選べます。

費用の相場は40~200万円程度です。
他の方法に比べて高額ですが、使い方次第で暮らしの幅を広げられる設備です。

建材で花粉を防ぐ!壁の工夫

建材で花粉を防ぐ!壁の工夫

花粉の粒子はとても小さいため、よほど多量でない限り目に見えることはありません。

しかし、PM2.5などと比べると粒子が大きいため、その分重く、床に落ちやすい性質を持っています。
特に花粉がたまりやすいのは床と床から30cm程度の高さです。

とはいえ、床だけに注意していれば安心というわけでもありません。
人が歩いたり、ドアを開け閉めしたりすると、床にたまった花粉は簡単に舞い上がってしまいます。

さらに壊れた花粉の破片は空気中を浮遊しやすく、部屋全体に広がってしまうのです

舞い上がりやすい花粉は、壁にも付着しやすいという特性があります。
だからこそ、壁材の選び方も花粉対策のポイントとなるのです。

珪藻土の壁で花粉を吸着し、再飛散を防ぐ

珪藻土の壁で花粉を吸着し、再飛散を防ぐ

珪藻土の壁には、有害物質を吸着する性質があります。
これは花粉にも効果を発揮し、室内に入ってしまった花粉を壁が吸着して再び舞い上がるのを防いでくれます。

また、珪藻土は「調質効果」にも優れています。

夏場など湿気の多い時には水分を吸収し、冬場など乾燥するときにはため込んだ水分を放出する働きをし、室内を快適な湿度に保ちます。

湿気を含んだ花粉は空気中に浮遊しにくくなるため、調質効果をもつ珪藻土は花粉対策にぴったりの素材といえるでしょう。

暮らしの中でできる花粉対策の工夫

花粉対策は、建材や設備の工夫だけでなく、毎日の暮らしの中でできる小さな工夫も大切です。
ちょっとした習慣を見直すことで、室内の花粉をぐっと減らすことができます。

掃除は「拭き掃除→掃除機」で花粉の舞い上げ防止

掃除は「拭き掃除→掃除機」で花粉の舞い上げ防止

花粉は湿気を含むと舞い上がりにくくなる性質があります。
そのため掃除はまず拭き掃除をしてから掃除機をかけるのが効果的です。

  • 床掃除:水拭き→掃除機の順番で掃除する。フロアワイパーのウェットシートやモップが便利
  • 家具・家電:ハンディワイパーや湿らせたタオルでふき取る
  • 布製品:粘着ローラーや掃除機で花粉を取り除く

加湿(40~60%)で空中の花粉を床に落とす

加湿(40~60%)で空中の花粉を床に落とす

室内の湿度を40~60%に保つことで、空気中の花粉に水分を含ませ、床に落としやすくなります。

加湿器はもちろん、加湿空気清浄機を使えば、「加湿+花粉の捕集」を同時に行えて便利です。

適度な湿度は肌や喉の乾燥対策にもなり、一石二鳥になります。

花粉が舞い上がらない時間帯に掃除をする

花粉が舞い上がらない時間帯に掃除をする

花粉は人の動きや空気の流れがあると舞い上がりやすくなります。
逆に、早朝や夜など静かな時間帯は床に落ちているため、掃除の効率がアップします。

こうした暮らしの工夫を取り入れることで、空気清浄機やリフォーム設備と組み合わせた「花粉に強い住まいづくり」が実現できます。

 

花粉は日常の中でどうしても室内に入り込んでしまうものです。

空気清浄機は頼れる存在ですが、それだけに頼っていては限界があります。だからこそ、リフォームで住まいそのものを花粉に強くする工夫が効果的です。

「花粉を家に入れない」「花粉の舞い上がりを防ぐ」という2つの工夫を組み合わせれば、花粉シーズンでも快適に過ごせる住まいづくりが可能になります。

空気清浄機に頼りすぎず、住まい全体で花粉を防ぐ工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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